会社を売りたい方必見!会社を売るメリットや流れを解説
2020.09.16 会社・事業を売る「事業承継を果たしたい」、「会社を売ってたくさんお金が欲しい」
このような理由で会社を売りたいと考える経営者の方は非常に多いです。
ただし、会社を売りたいと考えたからと言って、簡単に会社売却は成功しません。
会社売却を成功させるには、メリットやデメリット、用いる手法、流れを最低限知っておく必要があります。
そこで今回は、株式会社を売りたい方に向けて、上記に挙げた会社売却の基本を分かりやすくご説明します。
会社売却が成約する可能性を高めたい方や、実際の事例で頻発する問題の一覧を知りたい方は参考にしてください。
目次
経営者が会社を売りたいと考える理由
経営者が「会社を売りたい」と考える背景には、主に下記3つの理由があります。
後継者不足の解決
近年は職業選択の自由が進んでいることや少子高齢化による影響で、子供や孫などの親族に事業承継を果たすのが困難となっています。
そうした事情から、後継者不足を解決するために、会社を売りたいと考える中小企業の経営者は増えています。
経営の先行き不安
平成の大不況やリーマンショックなどにより、平成以降の経営環境は中小企業にとってますます厳しいものとなっています。
「自社の力ではこれ以上事業を存続するのが難しい」と考え、大企業に会社を売却する経営者の方は少なくありません。
資金の獲得
マイナスな理由ばかり述べてきましたが、多額の資金を得る目的で会社を売りたいと考える経営者も多いです。
具体的な金額はケースバイケースですが、会社売却では数百万円〜数十億円もの売却利益を得られます。
会社の代表にとって大きなメリットがあるため、最初から「会社を売りたい」と考えて起業するケースも増加傾向にあります。
会社を売るメリットとデメリット
「会社を売りたい」という気持ちだけで会社売却を行うと、後から想定していない事態が生じて後悔する可能性があります。
したがって、まずはメリットとデメリットを知った上で、改めて会社を売りたいかどうか考えることがポイントです。
メリット
一般的に、会社を売ると下記6つのメリットを得られます。
- 売却利益の獲得
- 後継者不足の解決
- 事業や従業員の雇用契約を維持できる
- 日々の業務や責任から解放される
- 会社売却の実績を得られる
- 経営者は連帯保証から解放される
特に中小企業にとっては、会社を第三者に売ることで後継者不足を解決したり、日々の業務や責任から解放される点は大きなメリットに感じるでしょう。
また、後継者不足による廃業が原因で、従業員が職を失ってしまう事態も回避できます。
一方で若手の経営者や成長中のベンチャー企業にとっては、多額の売却利益を得てアーリーリタイアを果たしたり、会社売却の実績を得られる点が最大のメリットと言えます。
特に希少な経営資源(大手の取引先や立地が良い不動産、優秀な人材など)を保有している会社は、高く売れる可能性もあります。
デメリット
一方で会社を売りたい方は、下記に挙げたデメリットもあらかじめ知っておく必要があります。
- 今後行うビジネスの領域に制限がかかるリスク
- ロックアップにより拘束されるリスク
- 経営者としての地位を失う寂しさ
- 税金の計算や納税面の対応が大変
- 仲介のサイトを利用すると余分に費用が発生する
特に注意すべきは、一番上のデメリットです。
会社売却の契約では、「競業避止義務」が経営者の個人に科される場合があります。
この義務が科されると、一定の期間売却した会社と同じ事業を行うことができなくなります。
また、ロックアップのリスクにも注意が必要です。
ロックアップとは、売り手の経営者に対して、売却から2~3年のあいだ買い手企業にて引き続き働くことを定める契約条項です。
ロックアップの条項が契約書に盛り込まれていると、会社売却してもしばらくは自由になれません。
会社を売りたい方が知っておくべき「M&Aの手法」
会社を売りたい方が知っておくべきことの一つが、「M&Aの手法」です。
会社売却では、主に「株式譲渡」または「事業譲渡」のいずれかのM&A手法が活用されます。
それぞれ手続きやメリット・デメリットは異なるため、ご自身にとって最適な手法を選ぶのが重要です。
株式譲渡
株式譲渡とは、売り手経営者(≒株主)が保有するすべての株式を買い手に譲渡する形で、経営権(会社を運営する権利)を移転する方法です。
取締役会での譲渡承認や株主名義の書き換えなど、簡単な手続きのみで済ませることが可能です。
そのため、会社を売りたい方のほとんどは株式譲渡の手法を選択します。
事業譲渡
事業譲渡とは、会社の中にある一部またはすべての「事業」を買い手に譲渡する手法です。
引き続き企業のオーナーとしての権利を維持したまま、すべての事業を売却できる点がメリットです。
ただし手続きが煩雑なので、会社を売る手法としてはあまり活用されません。
「会社を売りたい」と考えてから売却するまでの流れ【2021年の最新版】
「会社を売りたい」と思った際、すぐに会社が売れるわけではありません。
この章では、会社を売りたいと考えてから実際に売却するまでの流れを、3つのステップに分けて解説します。
Step1:会社売却の準備
会社売却の準備ステップでは、仲介会社との相談・契約や提案資料の作成、買い手探しを行います。
自力で買い手を探すことも可能ですが、仲介会社と契約しておけば、その後の交渉や契約書作成などの手続きをサポートしてもらえます。
本業を続けながら会社を売りたいならば、仲介会社と契約して負担を減らすのがベストでしょう。
Step2:買い手との交渉
買い手が見つかったら、本格的に交渉を進めていきます。
一般的な会社売却では、「トップ面談(価値観のすり合わせ)」→「条件面の交渉」→「基本合意契約」→「デューデリジェンス」という流れで手続きが進められます。
満足できる条件で会社を売却するためにも、最低限譲れない条件は明確に伝えることが重要です。
Step3:買い手との契約
デューデリジェンスと呼ばれる詳細な調査の結果を基に、買い手側から希望の条件(買収価格など)が伝えられます。
売り手企業が条件面に合意したら、実際に会社売買の契約を締結します。
契約を締結したら、最後にクロージング(資産の移転や対価の支払いなど)を行うことで、M&Aは完了となります。
より詳しく会社売却の流れを知りたい方は、下記の記事をご参照ください。
会社を売りたい方が理解すべき企業価値を計算する方法
会社を売買する時の額は、企業価値(会社がどのくらいの価値を持つかを金銭的に表したもの)をベースに決定します。
したがって会社を売りたい方は、先に企業の価値がどのくらいになるかを理解しておくのがベストです。
そこでこの章では、企業価値を評価する方法を3種類ご紹介します。
事業の内容や規模、業種・業界の成長性などによって最適な方法は変わってくるため、状況に応じて使い分けましょう。
時価純資産法
時価純資産法とは、資産と負債を一度時価に換算した上で、それをもとに計算した時価純資産を企業価値とする方法です。
貸借対照表の数値をベースに用いる仕組みなので、簡単に客観性が高い企業価値を求められる点が特徴です。
ただし、将来的に得られる収益は加味しないため、成長性が高い会社には適していません。
なお中小企業のM&Aでは、時価純資産に営業利益の3〜5年分を足した金額を売買価格とするスキームが人気です。
計算がとても簡単であるため、今は会社を売りたい中小企業の多くがこのスキームを活用しています。
DCF法
DCF法とは、対象となる企業が将来的に稼げるキャッシュフロー(≠売上)の金額をベースに、企業価値を評価する方法です。
今後の収益力を十分に加味できるため、上場企業から零細企業に至るまで、会社を売りたいと考えるすべての方におすすめです。
ただし、売り手の法人が提出した事業計画書をベースに収益性を測定するため、売り手の恣意的な感情や主観が企業価値に入りやすくなる点がデメリットです。
したがって、M&Aの取引に関係しない外部の専門家に企業価値の算定を行ってもらうのが大事です。
マルチプル法
マルチプル法は、自社と事業内容が類似する上場企業の株価指標をベースに企業価値を求める方法です。
上場企業と自社の財務データ以外は基本的に不要であるため、簡単に計算できる点が強みです。
また、事業の中身が類似する会社を参考にするため客観性も高いです。
ただし、自社と類似するビジネスを行う会社が存在しないと、マルチプル法は有効とならないので注意しましょう。
参考:会社売却の相場とは?相場算定に役立つ企業価値の計算方法も解説!
会社を売るときに役に立つサービス
会社を売りたいときには、マッチングのサービスに自社を案件として登録したり、M&Aの専門家(仲介を行う会社など)に買い手の候補を探してもらうのが一般的です。
そこで今回は、会社を売りたいというニーズを満たせるサービスを3つご紹介します。
事業を外部の会社に引き継いでみたい方や、利益を得るために会社を売りたい方は参考にしてください。
バトンズ
最初にご紹介するのは、M&Aの大手である日本M&Aセンターのグループ企業が運営しているサービスです。
士業の専門家にM&Aのサポートをお願いできる点や、買い手の候補が多数いる点などが長所です。
サービスの質も大手だけあって高いため、会社を売りたい方は安心してサービスを利用できるでしょう。
スピードM&A
スピードM&Aは、オンライン上で直接会社を買いたい相手と交渉できるマッチング型のサービスです。
会員登録やログインを無料で行える上に、手数料が他の仲介サービスと比べて安いという魅力もあります。
少ない予算で会社を売れるため、IT系の小規模な案件などにおすすめです。
ただし直接買い手と交渉する必要があるため、「会社を売りたいけど、何をすべきか分からない」という方はサービスが豊富なサービスを利用すべきでしょう。
MAポート
弊社が運営するMAポートも、会社を売りたい経営者の方を支援するサービスです。
MAポートでは、公認会計士や弁護士、税理士といった各方面のプロがチームを組んで、お客さまの「会社を売りたい」というニーズを実現しています。
最大の強みは、完全成功報酬制で徹底的なサポートを行っている点です。
着手金や中間報酬は一切発生しないので、予算が少ないケースでもお気軽に利用できます。
より高い値段で会社を売る上で意識すべきポイント
どうせ会社を売却するならば、「なるべく高い値段で会社を売りたい」と考える経営者の方がほとんどだと思います。
そこでこの章では、「高い価格で会社を売りたい」というニーズを実現する上で意識すべきポイントを解説します。
具体的に意識すべきポイントは以下の5つです。
- 先に企業価値の磨き上げを行っておく
- 自社の事業とシナジー効果を見込める
- 買い手との豊富なネットワークを持つ仲介会社に依頼する
- 事前に発生し得るトラブル特定した上で対策しておく
- M&Aの手順(スケジュール)や戦略を全て明確にしておく
特に重要なのは1つ目です。
たとえば金融機関からの借入金を返済したり、技術やノウハウといった強みを強化したりすることで、会社の価値を高めましょう。
そうすれば磨き上げを行わない場合と比べて、かなり高い値段で売却できる可能性もあります。
まとめ
会社を売りたいという動機は人によって異なるものの、実際に行うべき手続きや得られるメリットは同じです。
会社売却を成功させるためにも、今回ご紹介した情報は最低限知識として持っておくと良いでしょう。
弊社でも会社売却に関する相談を無料で承っておりますので、会社を売りたい方はぜひお気軽にご相談ください。