2018年に注目された日本企業の大型M&A案件まとめ

2019.01.22 M&Aトピック
ビル

2018年は日本でも大企業による大型買収案件が発表され、M&Aが注目される年となりました。2018年に発表された大型M&A案件をおさらいしたうえで、注目の2案件の詳細についてまとめました。

2018年に発表された注目の日本企業の大型M&A案件

2018年の1月に発表されたのは、今では実現が難しいとされている富士フイルムホールディングスによる、アメリカのゼロックスの買収でした。4月には、2018年1月に仮想通貨流出事件があったコインチェックをマネックスが買収することが発表されました。当初の予定からは大幅に遅れましたが、2019年1月11日に晴れて仮想通貨交換業者として登録されています。

5月には、武田薬品工業がアイルランドの製薬企業シャイアーを約6兆8,000億円で買収するという、超大型M&A案件が発表となりました。6月には東芝がパソコン事業関連の連結子会社東芝クライアントソリューションをシャープに譲渡することが発表されています。2019年1月には、Dynabook株式会社に社名変更が行われました。7月には出光興産と昭和シェルの経営統合問題で、反対していた出光興産の創業家が賛成に転じ、株式交換によって昭和シェルを子会社化する形で決着することが決定しました。

9月は日本の半導体メーカーとしては過去最高の買収額とされる、ルネサスエレクトロニクスによるアメリカ・インテグレーテッド・デバイス・テクノロジーズの買収が発表されています。10月は大手自動車部品メーカーカルソニックカンセイが、アメリカのフィアット・クライスラー・オートモビルズの自動車部品関連の子会社イタリアのマニエッティ・マレリを買収することが発表されました。12月には、日立製作所によるスイス・ABBの送配電事業の買収が発表され、日立製作所は送配電事業で世界1位の規模となります。

巨額買収で注目の「武田薬品工業×シャイアー」

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2018年4月に発表された武田薬品工業による、アイルランドの製薬企業シャイアーの買収は、2018年12月の臨時株主総会を経て、2019年1月8日に買収手続きが完了しました。売買価格は約6兆8,000億円で、これまでの日本企業による海外企業の買収の最高額とされていることからも注目を集めました。

今回の買収によって、武田薬品工業は世界の製薬企業の売上高ランキングで、これまでの19位から8位に躍り出て、世界のメガファーマーの仲間入りをしています。シャイアーの主力製品とされているのは、ADHD治療薬「ビバンセ」と潰瘍性大腸炎治療薬「リアルダ」で、武田薬品工業が重点領域とするニューロサイエンス(神経科学)領域と消化器系疾患領域の強化につながるとともに、新薬パイプラインを獲得するとされています。

まさかのM&Aの破たんも「富士フイルムホールディングス×ゼロックス」

プリンター

2018年1月に、富士フイルムホールディングスがアメリカのゼロックスの株式を50.1%取得し、富士フイルムホールディングスの子会社の富士ゼロックスとゼロックスが経営統合することに合意したと発表されました。もともと富士ゼロックスは、富士フイルムホールディングスが75%、ゼロックスが25%を出資して設立され、長きにわたって相互協力関係にありました。

しかし、2月に入ると、ゼロックスのいわゆる「物言う株主」が買収差し止めを請求する提訴を行い、4月にはアメリカの裁判所が買収差し止め命令を下したのです。その後、5月にはゼロックスの経営陣が交替し、合意破棄を要求、反対に6月には富士フイルムホールディングスが損害賠償を請求するに至りました。10月にはアメリカの裁判所が買収差し止め命令を破棄したものの、M&Aの実現は難しくなっています。