M&Aに大切な第三者の目 – 橋本税理士に独占インタビュー!

2020.08.13 インタビュー
税理士法人小山・ミカタパートナーズ 税理士 橋本健輔氏 インタビュー03

大学卒業からフリーター期間を経て、3年で税理士試験に合格した異色の経歴を持つ税理士であるのが、税理士法人小山・ミカタパートナーズの統括マネージャーである橋本健輔氏だ。その豊富な知見とプロの視点で、税務、M&Aを見極めるプロフェッショナルに話を伺った。

M&Aへの関わりは偶然の結果

─ まず初めに、どのような経緯でM&Aに関わるようになったのか教えて下さい。

高校は音楽の専門学校で、そのまま音楽の道に進むつもりもあったのですが、色んな理由で卒業直前になって大学進学をすることに。その時点で行ける大学が限られていたので、結果として大阪学院大学に通うことになりました。そして、卒業時点では就職も決まっていなかったので、憧れていた模型職人の道に進もうと考え、模型製作会社に見習いとして入り、仕事をはじめました。
しかし、実際に仕事でやってみると思っていた世界と違ったということもあり、ふとしたきっかけで税理士を目指すことにしました。その時24歳。ここでようやく勉強を本格的にすることになりました。そして26歳の時に税理士試験に無事に合格でき、小さな個人事務所に就職することになりました。

この事務所では主に相続案件が中心となっていましたが、個人事務所という小さな規模ということもあり、一つひとつの案件はとても小さなものでした。さらに、元々2年程実務を積んだ後に、もっと大きな事務所に行こうと考えていました。結局、引継ぎの都合でちょっと期間は伸びましたが3年弱で退職。その後、現在の小山・ミカタパートナーズへと転職しました。
M&Aに頻繁に関わってくるようになったのは、小山・ミカタパートナーズに来てからでしょうか。もちろん個人事務所時代も、第三者に経営権を移転する形で行う事業承継を担当していたため、M&Aに関わっていたと言えます。ですが、現在のように事業の一つとして行なうほどではなかったので、本格的に関わりだしたのは転職してからになります。こうして昔を振り返ってみると、M&Aに関わるようになったのは、自分の意志とかではなく、本当に偶然の結果ですね。

税理士法人小山・ミカタパートナーズ 税理士 橋本健輔氏 インタビュー02

相続・M&Aの相談は行なえる幅が広いほどやりがいがある

─ 税理士法人でも過去と現在で大きな違いはありますか?

一番大きな違いは、金額かもしれませんね。これは単に値段の高い安いという問題ではありません。むしろ高い値段設定だからこそ、どこまでも追及して行なえるのです。
実際に、以前は比較的金額が安かったこともあり、「これはうちではできません。」というケースも度々ありました。私自身は、「目の前のお客様をとことんサポートしたい!」という想いがあったのですが、そうして断るのが嫌だったというのも転職した理由の一つにありますね。
金額が高い分、行なう領域を狭めずにとことんやり遂げられる。そして、そのやり遂げる全てのバリューがあがれば、自分の価値も高まる。そのような考えを持って取り組んでいます。

そして、今担当するのは主に税務のコンサルティング業務(税務顧問)が多いのですが、実は若いベンチャー企業が多く、新規案件の7割が設立になっています。これは会社として若い人を応援する姿勢があることから、自然と増えてきた領域ですね。そして、私自身も先程述べたように、「目の前のお客様をとことんサポートしたい!」という気持ちが強いので、とても充実した仕事が行なえています。

M&Aはモノの売り買いではない!

─ M&Aに関わる上で気を付けていることを教えて頂けますでしょうか?

M&Aに関しては、今は買い手の依頼が多くなっていますね。「こんな会社を探してる」とか。「こんな会社を買いたい!」とか。「とりあえずデューデリだけやって欲しい」など、いろんな話が舞い込みます。
そんな中で、一番気を付けているのは、「そのヒトの目的を満たすかどうか」という点ですね。経営者の中には、目的が見えているけどシェイプされていないことが多いので、第三者の目、プロの視点で見るように気を付けています。

極端な例ではありますが、「簡単にお金を儲けたい!」という目的に対してのM&Aの回答が「飲食業を買う」となるのはおかしいわけです。買収金額が少なく済むからといって、買うという決断をするのは、間違っているのです。目的が、新しいことにチャレンジしたいからなのか?自分の今の事業を大きくするためなのか?複数の事業をたくさん持ちたいからなのか?経営者それぞれの目的を見極めていく。そこは強く意識していますね。

そして、もう一つ気を付けていることに、「経営者の想いをしっかり見極める」というのがあります。
どんな想いを持って経営を行ない、何を実現しているのか?また何を実現したいのか?M&Aはモノの売り買いではありません。人、想いの引継ぎが必ず存在します。だからこそ、経営者が抱く想いは重要なことだと考えていますし、この想いの部分で隠したことがあると上手くいかないと思っています。
経営者により色んなマインドであったり考え方があります。だからこそ、しっかりヒアリングを行ない、情報を精査し、想いを見極める必要があるのです。
もちろん、時には「そんなことはいいから、数字(デューデリ)だけ見てくれればいい」という方もいます。しかし、個人的にはそうした部分より、経営者の想いがM&Aに大切な要素だと思っています。

多くの人の助けがあって、多くの人の幸せに繋がるM&Aに!

─ どんなM&Aの姿が理想と考えていますか?

経営者の高齢化による事業承継問題をはじめ、今後のM&A市場は件数が増えていくと考えています。実際にM&Aでは色んな案件がありますが、良いモノを持っているけど、弱点も抱えているという企業は多数あります。例えば技術力は優れているけれど、経営力が弱かったり、単純に人が足りないという企業です。それを解決する手段の一つがM&Aとなるので、規模の大小に関わらず、今後は解決法の一つとしてのM&Aが増えていくことでしょう。
そうして今後、経営者はM&Aに関わる機会も増えていくと思われます。実際に買い手側の立場になった時に注意いただきたいのは、「経営者としての勘を大事にして欲しい」ということですね。少しでも引っかかる点は解決した上で進めていくことが大事だと思います。M&Aというのはモノの売買ではないため、買った後に返品はできません。だからこそ、色んな角度から見定めて、しっかり納得した上で買収する必要があります。

世の中に良いモノを持っている会社は多くあります。会社・商品・サービスのバリューを売る・広めることが得意な会社もあります。M&Aによりそうした会社同士が組むことで、大きな発展が期待できます。
そんなM&Aを実現するために、個人の思い込みが入らないように、色んな人から様々な意見を聞いて判断していくことが大事だと考えています。それこそ税理士一人ひとりに得意・不得意もありますので、社内外の多くの人と連携をとっています。そうして良いM&Aを実現していき、より多くの人の幸せに繋がっていければと思っています。

税理士法人小山・ミカタパートナーズ 税理士 橋本健輔氏 インタビュー01

※インタビュアー斎藤正憲:フリーターから3年の勉強で税理士試験合格という異色の経歴を持つ橋本税理士。偶然の結果で成った職ではあるものの、その心に秘めた想いとマッチした天職ではないかと感じられました。橋本税理士であれば、買い手側でも売り手側でも、その根底にある想いを理解した上で、最善の道に導いてくれるのでしょう。