M&Aファンド-取り扱い件数日本トップクラス! 小野俊法氏に独占インタビュー!

2020.07.23 インタビュー
日本グロース・キャピタル株式会社 日本プロ経営者協会 小野俊法氏 インタビュー01

アセットマネジャーからファンドマネジャーへ異例の転身を行ない、現在は日本プロ経営者協会の代表理事でもある小野俊法氏。M&Aに関わる多様なアドバイザリー業務に従事した経験を持ち、ファンドで現場での経験数No.1を誇る同氏に、M&Aの近況を伺った。

日本最多件数を誇るM&Aファンド投資実績

─ まず初めに、どのような経緯でM&Aに関わるようになったのか教えて下さい。

元々、実家が不動産関係の仕事を行なっていたこともあり、不動産に興味がありました。大学卒業後には、当時トータルアセット1兆円を超えるであろう不動産ファンド、株式会社ダビンチ・アドバイザーズに入社し、アセットマネジャーとしてキャリアが始まりました。ダヴィンチ社での仕事はとても大きな案件が多く、それこそ400億円のファンドを動かすこともありました。が、数年後に日本における不動産市場の頭打ち感を感じるシーンもあったので、思い切ってキャリアチェンジ。元々学生時代に起業していたこともあり、思い切って「海外で起業する」というに選択肢をとりました。進出先はバングラデシュ。バングラデシュはこれから劇的に変化していくと思ったのです。知人と共同で、アセットマネジメント会社及びセキュリティプリンティング会社を設立しました。

その後、家庭の事情もあり日本に帰国。不動産はやりつくしたと感じたことから、不動産という限られたモノではなく、「会社という生き物」の方が色んな可能性があると思い、M&Aファンドの道へ。アーンストアンドヤング・トランザクション・アドバイザリーサービス株式会社に入社し、M&Aに係る種々のアドバイザリー業務に従事してきました。ここでM&Aに関する多くのことを学べました。そして、その経験をさらに活かしていこうと考え、大手M&Aファンド会社に入社しました。ここでさらなる経験を積み、現在は一般社団法人「日本プロ経営者協会」を立ち上げ、代表理事を務めています。

通常M&Aファンドでは、1年で1~2件を経験するという人が多いですが、私の場合は1年で3~4件の件数を行ない、この10年で35件という、ファンドで現場での経験数No.1といって良いのではないかと思われるほどの、投資実績に携わることができました。

日本グロース・キャピタル株式会社 日本プロ経営者協会 小野俊法氏 インタビュー02

業績を伸ばすだけではなく、皆の幸せを

─ これまでに印象に残っているM&A経験はありますか?

2件あります。1件目では、業績の悪い会社をV字回復させることができたという案件。2件目は、会社としての業績は向上したものの自分の気持ち的に心残りになった案件です。
1件目の方ですが、以前は成功を収めていた会社だったのが、私が手掛ける頃には下り坂を転がっている状況でした。以前の成功経験が忘れられず、古い給与制度のまま、インセンティブの比重が非常に高いことが特徴としてありました。しかしその制度を続けていたことから多くの人が辞めていき、離職率が高いことが会社に悪影響している、というのが一番の問題でした。しかし、元々はこのやり方で成功していたということもあり、社長もなかなか制度を見直そうとはしませんでした。そこで様々な角度から調査・検証を行ない、何とか社長を説得し、時代に即した給与制度にしたところ、退職者の数が減り、売り上げも向上、1年後にはV字回復することができました。

2件目についてですが、これは実は「小野個人」として出資サポートとして関わった案件です。会社は関係ない案件ですが、印象に残った案件なのでご紹介させて頂きます。「成果」としては失敗ではなく、むしろ成功でした。なぜなら利益は出せて、リターンはしっかり出たからです。しかし、私自身としては心残りがありました。その理由は、利益が出せるようになった最大の要因が、コストカットだったからです。しかし、コストカットで利益を出すというのは、本来私が望む姿ではありません。経営としてあるべき姿は、スタッフが辞めずに幸せに働ける組織。一部のステークホルダーの利益だけを追求して経営するだけでは結果的に良くないと思っています。そのため、この案件はそうせざるを得なかったことで、強く印象に残っています。

餅は餅屋。経営にはプロ経営者!

─ M&Aに関わる上で、気を付けていることを教えてください。

私は基本的にM&Aした後は、自分等ではなく、プロ経営者に任せるスタイルをとっています。文字通り経営においては、プロに任せるということです。しかし、任せっぱなしがゆえの失敗もあるので、言うべき時には言うべきことを言うというのは、心掛けています。
プロ経営者に任せることの良さは、やはり業績向上の可能性が高まることでしょうか。例えば、技術者出身の社長が経営する中小企業は世の中に多くあります。こうした企業の社長は、当然ながら技術に関しては強みがありますが、経営に関して決して強いとは言えないことも多いです。高い技術がありながらも社長が昔ながらの職人気質で厳しい社風のため、社員がすぐに辞めてしまう。そういったうまく成長できない会社をプロ経営者に任せたところ、社員も増えて大きく発展していったとうこともあります。
任せるところはプロに任せるというのが、私が基本にしている部分です。そしてこれは、今自分がいる組織においても、同じことです。部下を信じ、任される部分は、どんどん部下に任せていく。ただ、もちろん最後の責任はしっかり私が取る、という意識は持つようにしています。部下のミスは上司のせい。部下の手柄は部下のもの。という風に考えるように心がけています。若手が多くの経験を積み、優良な人材に育っていき、皆でM&A市場を発展させていきたいと考えています。

M&A、事業承継はプロ経営者が鍵に!

─ M&Aを取り巻く状況はどのようにお考えですか?

現在、日本のM&Aファンドは少しずつ増えており、多くの会社がいろいろな形で参入して来ています。M&Aの環境においても後継者問題を含む事業譲渡、事業売却、会社承継など、事業や会社を次世代に引き継いでいく流れは今後さらに活発化していくと思われます。
そして、今後M&Aが増えていった時に大事になってくることは、差別化です。そもそもきちんとした案件を扱っていかなければなりませんが、我々としてはさらに、プロ経営者をどれだけ抱えていけるかも重要視しています。M&Aで会社・事業を買収しても、その買収先の発展がなければ意味がありません。売り手側の立場で考えると、業績が下り坂となっている場合も決して少なくなく、その立て直しは大事になってきます。経営力に長けたプロ経営者の重要性は高いです。

そうしたことも考え、現在、日本プロ経営者協会を立ち上げ、私自身が代表理事を務めています。より多くのプロ経営者を創出することで、日本を元気にしていきたい!そんな想いで立ち上げた協会です。
超高齢化社会の現在の日本では、事業承継問題が深刻化し、今後も多くの事業売却・会社売却が行なわれていくことでしょう。M&Aを積極的に行なう企業も増えてきています。両者にとって必要とされるのが、プロ経営者です。
優秀な人材というリソースを育み、活用する機会を提供することで、将来の日本経済を担う経営人材が多数生み出され、再び活力が溢れる社会になっていくことを願い、今後もM&Aへの積極的な関わりを増やすことはもちろん、セミナー活動なども積極的に行なっていき、市場を盛り上げたいと考えています。

日本グロース・キャピタル株式会社 日本プロ経営者協会 小野俊法氏 インタビュー03

※インタビュアー土屋:アセットマネジャー、海外で起業、M&Aファンドのパートナーという異例のキャリアを突き進む小野俊法氏。自らが関わった投資実績数という点においては、「ファンドで現場での経験数No.1」と言っても過言ではありません。そんな経験豊富な小野氏は、今後セミナー等も時々行なっていくとのこと。投資ファンドやM&Aに関心がある方は、ぜひ注目の上、ご参加されてみて下さい。