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M&Aのアドバイザーとは?費用の相場や依頼するメリットを解説

2020.07.23 M&A知識

M&Aでは契約書の作成や企業価値算定など、専門知識を要する業務がたくさんあります。

そこで大半のM&Aでは、「M&Aアドバイザー」または「M&A仲介会社」と呼ばれる専門家に実務をサポートしてもらうのが一般的です。

そこで今回は、M&Aアドバイザーの業務内容や利用料金、メリット・デメリットなどを詳しくご説明します。

M&Aアドバイザーとは

M&Aアドバイザーとは、文字通りM&Aに関わる一連の業務に関して、サポートやアドバイスを行う専門家です。

「ファイナンシャルアドバイザー(FA)」や「M&Aコンサルタント」とも呼ばれます。

M&Aアドバイザー業務に関連する資格

契約書の作成には「法律」、企業価値算定には「会計や財務」といった形で、どの業務を担うかによってM&Aアドバイザーに必要な知識は異なります。

そのため、M&Aアドバイザーに業務を依頼する際には、その業務に関連性の高い資格を持った専門家に依頼するのがベストです。

M&Aアドバイザー業務に関連した資格として、主に下記のものがあります。

  • 法律分野→弁護士、司法書士、行政書士
  • 会計・ファイナンス分野→公認会計士
  • 税務分野→税理士
  • M&A全般→JMAA認定M&Aアドバイザー、事業承継・M&Aエキスパート

仲介会社との違い

M&Aの成功をサポートする専門家には、M&Aアドバイザー以外に「M&A仲介会社」もあります。

M&Aアドバイザーと仲介会社の違いは、契約の形態にあります。

M&Aアドバイザーは、「アドバイザリー形式」と呼ばれる契約を結び、売り手と買い手片方の立場に立ってM&Aの成功をサポートします。

一方で仲介会社は「仲介形式」という契約を結び、買い手と売り手双方にとって中立的な立場に立って、M&Aをサポートします。

以上がアドバイザーと仲介会社の違いですが、すべてを一括りにして「M&Aアドバイザー」と呼ぶことも多いです。

実際にM&Aアドバイザーが仲介の業務を行うこともあれば、仲介会社がアドバイザリー業務を行うケースもあります。

したがって、M&Aアドバイザーと仲介会社には、本質的な部分での違いはないと言えます。

M&Aのアドバイザーに依頼するメリット

M&Aのアドバイザーに業務を依頼すると、下記3つのメリットを得られます。

交渉をスムーズに進めることが可能

M&Aでは、買い手と売り手の利害が真正面から対立するため、当事者同士では交渉がなかなか進まなくなる可能性が高いです。

一方で各業務の専門家であるM&Aアドバイザーが介入すれば、万が一意見が対立した際に、合理的な見地から解決策を提示してくれます。

そのため、交渉をスムーズに進めていくことができます。

大きな失敗を回避できる

M&Aにおいて買い手側は、買収後に多額の減損損失を計上したり、従業員や取引先との契約を想定通り移行できない、といった失敗を被る可能性があります。

一方の売り手側にも、実際の実力よりも安い値段での売却となったり、多大な時間と労力を費やして交渉が決裂したりと、M&Aが失敗に終わるリスクは多々あります。

そうした失敗を回避する上で役に立つのがM&Aアドバイザーです。

各業務の専門家であるアドバイザーを起用すれば、こうした失敗が生じないように、契約書を作成したり売買価格を決めてもらえます。

M&Aに必要な労力や手間を削減できる

単純にM&Aにかかる労力・手間を削減できる点も、M&Aアドバイザーに相談するメリットです。

多くの中小企業は、本業の営業活動と並行しながらM&Aも進めていきます。

M&Aには多大な労力や手間を要するため、本業が疎かになる可能性があります。

一方でM&Aアドバイザーを起用すれば、手間のかかる業務の大半を代行してもらえます。

そのため、本業に支障をきたさずにM&Aを実施可能です。

参考:中小企業のM&Aが失敗する理由とは?対策も解説

M&Aのアドバイザーに依頼するデメリット

メリットの大きいM&Aアドバイザーですが、依頼する際には下記2つのデメリットに注意が必要です。

費用がかかる

公認会計士や弁護士などの専門家に依頼する以上、どうしても相応の費用はかかってしまいます。

後ほど詳しく解説しますが、M&Aの業務をすべて依頼すると、数百万円〜数千万円もの費用がかかるケースもあります。

万が一失敗しても責任を負ってもらえない

M&Aアドバイザーは、あくまでM&Aの成功をサポートすることにすぎません。

そのため、万が一失敗しても責任は負ってもらえません。

失敗した際の損失も考えて、なるべく信頼できるM&Aアドバイザーを選ぶのが重要となります。

M&Aアドバイザーの業務内容と利用料金

M&Aアドバイザーに依頼する場合、主に下記4つの業務に関してサポートやアドバイスを得られます。

この章では、各業務の詳細や利用にかかる料金の相場をお伝えします。

企業価値の算定

企業価値の算定とは、事業内容や財務状況などを踏まえて、売り手企業の価値を明確にする業務です。

企業価値の算定は、両者にとって合理的な売買価格を決める上で不可欠な業務です。

そんな企業価値の算定をM&Aアドバイザーに依頼する場合、およそ30万円〜200万円ほどの費用がかかります。

ただし事業規模によって金額が変動するため、中小企業の場合は100万円未満で実施できるケースが多いです。

デューデリジェンス

デューデリジェンスとは、売り手企業の持つリスクや将来性などを詳細に分析する業務です。

高値掴みや買収後に多額の損失をこうむるリスクなどを軽減する上で、企業価値算定と同じくらい重要なプロセスとなります。

一般的なデューデリジェンスの相場は、1件30万円〜300万円程度となります。

こちらも事業の規模に応じて変動するため、中小企業ならば一分野だけの調査ならば30万円〜50万円程度で済むでしょう。

契約書の作成

M&Aアドバイザーには、基本合意書や最終契約書、秘密保持契約書といった契約書の作成も依頼できます。

後々のトラブルを防ぐためにも、契約書の作成は専門家であるM&Aアドバイザーに依頼するのがオススメです。

契約書作成の費用は、作成する書類内容や枚数によって異なります。

一般的なM&Aでは、1万円〜50万円以内で済むケースが多いです。

仲介業務(マッチングや交渉のサポート)

前述したように、M&Aアドバイザーの中にはマッチングや交渉のサポートといった仲介業務を依頼できるケースもあります。

よほどM&Aに慣れている場合を除いては、スムーズにM&Aを進めるためにも、仲介業務を担っているアドバイザーに依頼するのがオススメです。

M&Aの仲介業務では、「着手金」や「成功報酬」といった費用がかかります。

着手金は50万円〜400万円、成功報酬は取引金額の1%〜5%に設定されているケースが多いです。

より詳しくM&Aの手数料に関して知りたい方は、下記の記事をご参照ください。

参考:M&Aの手数料はなぜ高い?相場についても解説!

まとめ

M&Aを成功させる上で、M&Aアドバイザーの専門性や協力は欠かせません。

M&Aの実施を検討中の方は、是非ともM&Aアドバイザーの活用を検討してみてください。

弊社でもM&Aのアドバイザー・仲介業務を承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。