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中小企業のM&A【メリットや手順、成功させるポイントを解説】

2020.06.18 M&A知識

一昔前までは大企業が行うイメージが根強くあったM&Aは、経営者の高齢化や経営環境の悪化などの影響で中小企業が行うケースも増えてきました。

M&Aの実務は複雑で成功しづらいため、中小企業が行うにあたってはあらかじめM&Aについて熟知しておくことが重要です。

そこで今回は、中小企業がM&Aを行う上で知っておくべきM&Aのメリットや流れ、売買価格の決定方法、成功のポイントをわかりやすく解説します。

中小企業がM&Aを行うメリット

中小企業がM&Aを活用すると、主に下記4つのメリットを得られます。

事業承継の問題を解決できる(売り手)

親族や会社内に後継者がいない場合、基本的には事業承継を果たせないため廃業せざるを得ません。

しかしM&Aにより第三者に会社を売却すれば、身内に後継者がいなくても事業承継を果たせます。

後継者不足に悩む中小企業にとって、この点は最大のメリットとなるでしょう。

売却利益を獲得できる(売り手)

M&Aで事業や会社を売却すれば、経営者や株主は多額の売却利益を獲得できます。

事業規模や財務状況などにより金額は変わるものの、中小企業でもおよそ数百万円〜数千万円で売却できるケースが多いです。

一度に多額の現金を手に入れ、次の事業を行ったりリタイア後の生活に充てることもできるでしょう。

大企業の傘下に入って安定的に事業を継続できる(売り手)

経営資源が少ない中小企業にとって、現在の厳しい経営環境で生き残るのは難しいです。

そこで大企業とのM&Aを行えば、大企業の傘下に入って安定的に事業を続けることが可能です。

事業の成長を加速できる(買い手)

自社で一から、新規事業の立ち上げ(多角化)や既存事業の大幅な規模拡大を図るとなると、多大な時間がかかる上に失敗するリスクも高いです。

そこでM&Aにより自社に不足する経営資源や事業を買収すれば、時間をかけずに上記の目標を達成できます。

参考:M&Aのメリット【売り手・買い手双方の視点から解説】

中小企業がM&Aを行う手順

中小企業がM&Aを行うにあたっては、基本的に下記5つのステップで実務を進めます。

ステップ1:M&Aの検討と相談

はじめに、どのような目的でM&Aを行うかを明確化します。

目的を明確にしたら、M&Aの実行可否や大体の売買価格を知るために、仲介会社やアドバイザリーに相談します。

仲介会社やM&Aアドバイザリーは、M&Aの相手探し(マッチング)やその後の交渉をサポートしてくれます。

ほとんどの中小企業にはM&Aの専門家はいないため、仲介会社のサポートを受けるのがオススメです。

ステップ2:M&Aの相手探し(マッチング)

仲介会社の協力を得た上で、M&Aの相手探しを行います。

基本的には自社の希望や事業内容などを基に、仲介会社が最適な相手を探してくれます。

ステップ3:交渉と基本合意の締結

相手候補が見つかったら、具体的な交渉に入ります。

交渉では、売買価格や用いるM&Aの手法、従業員や経営者の処遇などを取り決めます。

こうした重要部分について双方が合意できたら、合意内容をまとめた「基本合意書」を締結します。

ステップ4:デューデリジェンス

デューデリジェンスとは、買い手が売り手企業の有するリスク(簿外債務など)を調査することです。

このプロセスを怠ると、買い手は後から多額の損失を抱えるリスクがあります。

コストはかかるものの、M&Aの成否に直結する部分なので、たとえ中小企業同士の小規模なM&Aでも行いましょう。

ステップ5:最終契約の締結とクロージング

デューデリジェンスの結果を基に最終的な交渉を行います。

最終的な交渉でお互い合意に達したら、M&Aを実行する旨を正式に契約します。

契約が締結されたら、資産の移転や代金の支払いといったクロージングを行います。

参考:M&Aの流れ【検討段階からの手続きを徹底解説】

中小企業のM&Aにおける売買価格の決め方

中小企業がM&Aを行うにあたって、特に重要となるのが売買価格です。

この章では、M&Aの売買価格を決める3つの方法をご紹介します。

コストアプローチ(純資産価額法)

コストアプローチ(純資産価額法)とは、売り手の純資産額を基準に売買価格を決める方法です。

計算が簡単である上に過去の経営成績を重視できるため、中小企業のM&Aでは頻繁に活用されています。

インカムアプローチ(DCF法)

インカムアプローチとは、将来的な収益性を基準にする算出方法です。

インカムアプローチの中でも、事業で今後得られるキャッシュフローの現在価値を算出基準とする「DCF法」が一番メジャーです。

将来性や収益性を重視できるため、今後の成長が期待できる中小企業のM&Aで重宝される手法です。

マーケットアプローチ(マルチプル法)

マーケットアプローチとは、市場(類似企業や類似業種など)を基準に、売買価格を決める方法です。

特に類似企業の株価指標(PERなど)を基準にする方法は「マルチプル法」と呼ばれ、客観的な売買価格を決める上で有用です。

中小企業がM&Aを成功させる上で意識すべきポイント

M&Aは多額のお金が動く上に、互いの企業の利害がぶつかるため、その成功率は決して高くありません。

中小企業がM&Aを成功させるためには、最低でも下記3つのポイントを意識した上で取り組まなくてはいけません。

M&Aに向けた準備を早めに進める

M&Aでは相手探しや交渉、デューデリジェンスに多大な時間がかかります。

そのため、早めに準備しておかないと、新規事業の参入に乗り遅れたり、事業承継を果たせずに先代経営者が亡くなるといった事態が起きてしまいます。

そうした事態を避けるためにも、半年から1年はかかると見た上で、早めにM&Aの準備を進めましょう。

企業価値の向上を目指す

売り手に限った話で言うと、買い手にとって魅力のない中小企業は、中々M&Aの成約に至らない可能性が高いです。

スムーズにM&Aを成約させるためには、企業価値を高め、買い手にとって魅力ある中小企業にしなくてはいけません。

具体的には、簿外債務を無くしたり、強みとなる技術を強化するなどの施策が有効です。

仲介会社選びは慎重に

中小企業がM&Aを成功させる上で、最も重要なのが仲介会社選びです。

一口に仲介会社といっても、手数料体系や得意分野などは業者によって大きく異なります。

仲介会社を適当に選ぶと、手数料が無駄に多く取られたり、割安な値段で売却するなどの事態に陥りかねません。

複数の仲介会社について、手数料や得意分野、実績などを比較し、自社にとって最適な業者を慎重に選びましょう。

まとめ

中小企業にとって、M&Aはあらゆる経営課題を解決できる手段です。

ただしやるべきことは多いため、早めに準備する必要があります。

弊社では中小企業に特化したM&A仲介業務を行っています。

完全成功報酬で費用が無駄になることはないので、中小企業のM&Aを行うさいには是非ご相談ください。

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