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個人がM&Aを行う方法とは?売り手・買い手双方の視点から解説!

2020.11.04 M&A知識

M&Aという単語を聞いたとき、多くの方は法人同士の買収劇やベンチャーによる数億円規模の会社売却をイメージするでしょう。

ところが近年は、個人事業主による事業売却や、脱サラした個人が会社を買収するケースも増えています。

そんな増加している個人M&Aですが、実施にあたっては法人同士のM&Aにはないリスクやデメリット、手続きがあります。

そうしたリスクやデメリットを知っておかないと、M&Aで大きな損失を被る恐れがあるので注意です。

今回の記事では、個人によるM&Aの注意点や成功させる方法をわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください。

個人によるM&Aが増えている背景

初めに、個人によるM&Aが増えている背景を売り手・買い手双方の視点から解説します。

事業承継の時期を迎える個人事業主の増加

売り手の視点から見ると、事業承継の時期を迎える個人事業主が増加していることが、個人によるM&Aの増加理由となっています。

多くの個人事業主は、中小企業と同様に経営者の高齢化を迎えています。

しかし一方で、親族や従業員の中で後継者が見つからない方も少なくありません。

そうした事情から、廃業という選択肢の代わりに、M&Aにより事業を売却する個人事業主が増加しているのです。

先行き不安を抱えるサラリーマンの増加

一方で、個人による買収が増えている背景には、先行き不安を抱えるサラリーマンが増加していることがあります。

一昔前まで日本では、終身雇用・年功序列が一般的であり、サラリーマンとして働いていれば安定的な収入が保証されていました。

しかし近年は、景気の悪化などの影響で、終身雇用や年功序列の神話が崩壊し、サラリーマンとして働くメリットが薄れてしまいました。

その一方で、老後には2,000万円〜3,000万円もの大金が必要と言われており、多くのサラリーマンが先行きに不安を感じるようになっています。

そうした影響から、サラリーマン以外の収入源を得るために、M&Aにより会社や事業を買収する個人が増えていると言われています。

関連記事:事業承継とM&Aの違い【事業承継M&Aのメリット・デメリットも解説】

個人がM&Aを実施する注意点

個人と法人、または個人事業主同士のM&Aでは、法人同士のM&Aにはない特有のリスクやデメリットがあります。

そのため、個人がM&Aを実施するにあたっては下記2つの点に注意が必要です。

売り手は法人と異なる手続きが必要である点に注意

法人の場合、会社丸ごと売却する際には株式譲渡、事業のみの売却では事業譲渡の手法がそれぞれ用いられます。

一方で個人事業主の場合、株式を発行していないため、事業譲渡の手続きを経なくてはいけません。

また、事業譲渡に際しては「廃業届出書」を税務署に提出する必要があります。

このように、法人とはM&Aに必要な手続きが大きく異なるので注意しましょう。

買い手は従業員や取引先からの信頼獲得に苦労する

一方で個人で会社や事業を買収する場合は、従業員や取引先からの信頼獲得に苦労する恐れがあります。

中小企業の経営者には、人間性や会社に対する貢献、先代経営者との関係などが求められます。

そのため、縁もゆかりもない脱サラした個人が突然経営者の座につくと、従業員からの信頼を得られない恐れがあります。

信頼を得られない結果、モチベーションや生産性が下がったり、最悪の場合離職されてしまうケースもあります。

また取引先も、経営者の人柄に惚れて取引を続けていることが多々あるため、見ず知らずの個人が経営者になった途端、取引を打ち切られかねません。

こうしたリスクがあるため、最初から経営者となるのではなく、1〜3年は修行期間として入社させてもらうなど、信頼獲得のための工夫が必要です。

もしくは、M&Aを行う前に従業員や取引先と顔合わせしたり、社員や取引先がほぼ不要で行える業種の会社を買収するといった手段も有効です。

関連記事:M&A仲介会社とは?役割や手数料、比較するポイントを徹底解説!

個人がM&Aを行う方法

法人同士のM&Aであれば、金融機関や仲介会社に相談すれば比較的スムーズに相手探しやその後の交渉を行えます。

しかし個人の場合、事業規模の小ささや買収資金の少なさなどを理由に、通常の方法でM&Aを実施するのは困難です。

個人がM&Aの相手探しや交渉を行うには、下記3つの方法が役に立ちます。

小規模M&Aに特化した仲介会社

最もオススメなのは、小規模M&Aに特化した仲介会社と契約する方法です。

一般的なM&A仲介会社や金融機関は、手数料の体系が高いため、個人による小規模なM&Aには向いていません。

一方で小規模M&Aに対応している仲介会社は、手数料が少額な成功報酬のみなので、個人によるスモールM&Aにも最適です。

加えて、マッチングから交渉、クロージングまでをM&Aのプロが一貫してサポートしてくれるので、M&Aの経験がない個人の方でも安心です。

マッチングサイト

数十万円〜数百万円のスモールM&Aを行いたい個人の方には、マッチングサイトの利用もおすすめです。

マッチングサイトとは、条件を指定して買い手が自分で好みの案件を探せるサービスです。

個人でも頑張れば購入できる価格帯の案件が豊富にある上に、自分の目で確かめながら案件を探せるのが最大の魅力です。

加えて、手数料も仲介会社やアドバイザリーのサービスと比べると安い傾向があります。

ただし、仲介会社のような豊富なサポートを受けられないため、契約や交渉をめぐって大きなトラブルに巻き込まれるリスクがあります。

後継者人材バンク

最後にご紹介するのは、中小企業庁が運営する「後継者人材バンク」を利用する方法です。

後継者人材バンクとは、起業を目指す起業家と、後継者不在の個人事業主をマッチングするサービスです。

国の機関が運営しているだけあって、安心して利用できる点が最大のメリットです。

ただし、専門家のサポートを受けるには費用がかかる点には注意が必要です。

参考:後継者人材バンク|事業引継ぎポータルサイト

まとめ

注意点こそあるものの、個人によるM&Aは決して不可能ではありません。

実際に個人でM&Aを実施し、無事成功を収めた経営者は少なくありません。

弊社では無料でM&Aの相談を承っておりますので、個人での事業(会社)売買に興味がある方はお気軽にご相談ください。

関連記事:M&Aの意味をわかりやすく解説!