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事業承継の方法【メリット・デメリットを解説】

2020.09.22 事業承継

事業承継の方法は、「親族内承継」、「親族外承継」、「M&Aによる承継」の3種類です。

一口に事業承継と言っても、各方法によってメリットやデメリットは異なります。

そのため、経営者自身や会社の状況に合わせて最適な方法を選ぶのが、事業承継を成功させる上では重要です。

今回の記事では、事業承継の各方法について、概要やメリット・デメリット、成功のポイントをご説明します。

親族内承継

親族内承継とは、子供や孫などの経営者自身の親族に対して事業承継を行う方法です。

従来ほとんどの中小企業は、この方法で事業承継を果たすのが一般的でした。

しかし近年は、少子化や子供が自由に職業を選ぶようになった影響で、親族内で後継者を選定できないケースが増えています。

メリット

親族内承継のメリットとしては、主に下記3つが挙げられます。

  • 先代経営者の親族という理由で、従業員や取引先から理解を得やすい
  • 早い時期から後継者教育を行える
  • 贈与や相続といった幅広い方法で事業承継できる

デメリット

一方で、親族内承継では下記に示したデメリットに注意が必要です。

  • 事業用資産(株式含む)の承継をめぐって、他の相続人とトラブルになる可能性がある
  • 経営者としての資質とやる気を併せ持つ親族がいない可能性がある

成功に向けたポイント

親族内承継を成功させるには、とにかく早め早めの対策が不可欠です。

まずは、子供や孫としっかり話し合って、後継者になってくれるかを確定させる必要があります。

また、後継者が確定したら、早い時期から後継者教育を行わなくてはいけません。

後継者教育には一般的に10年ほどの期間がかかると言われるため、先代経営者が健康なうちに始めましょう。

加えて、確実に経営権を握れるように、自社株式のすべてを後継者に引き継がせるのも重要です。

そのためにも、遺言にて後継者に株式を引き継ぐ旨を明記したり、あらかじめ他の相続人から賛同を得ておきましょう。

親族外承継

親族外承継とは、親族以外の第三者に事業承継を果たす方法です。

ほとんどの中小企業では、親族以外の従業員や役員を後継者とするケースが多いです。

前述した理由で親族内での事業承継が減少した影響により、この方法で事業承継を果たす中小企業が増加しています。

メリット

この方法で事業承継を果たすと、下記3つのメリットを期待できます。

  • 後継者として適任な人材を選びやすい(長年自社の事業に携わっている従業員・役員から選定するため)
  • 後継者に必要な経営ノウハウや業務スキルがすでに備わっているため、後継者教育の期間を短縮できる
  • 親族内承継と比べて後継者の候補が多い

デメリット

質の高い後継者を選べる親族外承継ですが、この方法には下記のデメリットもあります。

  • 株式を取得(買収)できるだけの資金力を持つ人材がいない可能性が高い
  • 個人保証や経営の先行き不安を理由に、事業承継を断られやすい
  • 選ばれなかった従業員・役員に不満が生じる恐れがある

成功に向けたポイント

従業員や役員に事業承継する方法では、なるべく後継者の負担を軽減することが重要です。

たとえば買収資金に関しては、銀行から買収資金を調達したり、会社内にある余剰資金を活用する方法で、負担を軽減できます。

また、事前に金融機関と話し合って個人保証を解消するのも効果的な方法です。

加えて、取引先や金融機関、従業員などと早い段階から話し合うことで、次の後継者に対して理解を得ておくのも欠かせません。

M&Aによる事業承継

M&Aによる事業承継とは、ご自身の会社を社外の第三者に買収してもらう形で、経営権を引き継がせる方法です。

従来M&Aといえば、「身売り」や「逃げ」などのマイナスイメージがもたれていました。

しかし近頃は、親族内や会社内で後継者が見つからない企業が、会社を存続するためにM&Aを行うケースが増えています。

前述した2つの方法と比べると数自体は少ないものの、事業承継の最終手段として注目を集めています。

メリット

この方法で事業承継を実施するに際しては、下記4つのメリットを期待できるでしょう。

  • 先代経営者(≒株主)が多額の売却利益を得られる
  • 他の方法よりも幅広く後継者を探せる
  • 廃業せずに済むため、従業員の雇用を維持できる
  • 安定的な資本を持つ会社に事業承継すれば、より一層会社が成長する

デメリット

メリットが多い方法ではあるものの、M&Aによる事業承継では以下に挙げたデメリットにも注意しなくてはいけません。

  • 業績が良くないと買い手が見つかりにくい(事業承継を果たせないリスクがある)
  • 希望する条件で売却できるとは限らない
  • 事業承継までに時間がかかる
  • M&A仲介会社やアドバイザーへの手数料がかかる

成功に向けたポイント

この方法で事業承継を成功させるには、豊富な実績やスキルを持つ専門家(仲介会社など)に相談するのが一番重要です。

そもそもM&Aの実務では、会計や税務、法律など専門的な知識が必要となります。

加えて、全国幅広いエリアから自社を買収してくれる買い手を見つけなくてはいけません。

以上の理由より、中小企業が自力でM&Aによる事業承継を成功させるのは極めて困難なので、M&Aの専門家である仲介会社に相談するのがベストです。

ただし、仲介会社によって手数料の体系やサービス内容は大きく異なります。

複数の仲介会社を比較し、サービス内容が豊富、かつ手数料が安く済むところに業務を依頼するようにしましょう。

参考:事業承継とM&Aの違い【事業承継M&Aのメリット・デメリットも解説】

まとめ

一昔前とは異なり、様々な理由から当たり前のように親族内で事業承継を行うのは難しくなっています。

親族内で事業承継できないからと言って諦めるのではなく、親族外承継やM&Aなどの方法も視野に入れるのがベストです。

特にM&Aは、従業員の雇用や事業の伝統を残しつつ、多額の売却利益を得られる事業承継の方法です。

親族や会社内に後継者がいない場合は、M&Aによる方法を検討してみるのをオススメします。

弊社では、M&Aによる事業承継に関して相談を無料で承っております。

M&Aによる事業承継をご検討している方は、ぜひお気軽にご相談いただければと思います。

関連記事:事業承継とは?継承との違いや成功のポイントを解説!